統一教会の守り神について3




2022.12.02





 先日テレビで放送していたので見た人も少なくないだろうが、最近はテレビを見ないという人も少なくないようなので。
 統一教会の二世信者が日本外国特派員協会で会見を開いていたのだが、そのさなかに統一教会からFAXが特派員教会宛に入ったようで、そのFAXを会見中の二世信者に見せたようだ。二世信者の夫がその場でFAXの内容を読み上げたのだが、その内容は以下のようなものだった。
「ここには彼女の両親の署名が入っています。彼女が言っているように精神の異常を来しており、安倍元首相の銃撃事件以降その症状が酷くなっていて、多くの嘘を言うようになっています。そのためにこの会見をすぐに中止するように、と言うメッセージが届きました。」
これを聞いた二世信者は、
「そもそも両親は私にお金を必ず返すから貸して、と言ってお金を200万円近く給料から取っていきました。渡さなかったときには職場まで来て、渡すまで職場から帰りませんでした。そしてそのお金は張本人からは1円も返ってきていません。そういったことも積み重なって私は精神を病みました。症状についてはもう4年前の時点で治っています。私が正しいと思ってくださるのなら、どうかこの団体を解散させてください。」
 こうした涙ながらの声を総理大臣はなんと聞くのだろうか?
 国会では野党が一致した法改正などを求めている。日本維新の会は、
「我が党は宗教法人法の改正案を提出する用意があります。それでも法改正を行わずこの状況を放置するのでしょうか?」
 これに対して総理は、
「法案の議論がありますので、国会においてまず議論をいただくべきのものであると考えております。」
 全く積極的とはほど遠い、なんとか現状をやり過ごしたいという統一教会の守り神であることを前面に出しているかのような答弁に終始していた。

 最近になって、政権の支持率が急落しているからだろうが、国会の会期が迫る中、統一教会の金銭収奪を止めるための法律を作るべきだという野党の要求に押されるかのように、自民党も政府案を出してきたのだが、野党ばかりではない。統一教会の犯罪行為を長年にわたって糾弾し続けてきた弁護士たちも、これでは全く役に立たない、と言って自民党案を批判するという状況になっている。
 テレビの報道番組では、出演していた人たちが、「どうみても統一教会の被害者を守るための法案でないことは確かなようなのだが、いったい自民党は誰を守ろうとしているのだろうか。」とつぶやいていた。そしてこのつぶやきに出演者全員がうなずくという状況が展開していたのだが、自民党が懸命の努力を傾けてやっているのは、マスコミが統一教会の批判を繰り広げている中で何もしないわけにはいかないと言うことから「自民党だってやってますよ!皆さん。」というポーズを国民にアピールする一方で、統一教会にしてみたら抜け穴だらけで被害者の救済には何の効果ももたらさない、というものにしようとしていることは誰の目にも明らかだ。
 統一教会は、数十年にもわたって毎年500から600億円もの資金を韓国に送り続けてきているわけで、こうした巨額の資金集めに対しての罰としては、対象となる組織を公開するのだというのだ。もう、ふざけるな!としか言いようがない。言うまでも無いことだが、統一教会の悪事は今や日本中に知れ渡っているわけで、いまさら金集めの団体として公表されたところで痛くもかゆくもないだろう。
 さらに、無知で愚かな信者たちに高額な資金を持たせたうえで韓国に渡らせて、そこで直接現金を統一教会の本部に渡すと言うことをも長年やってきているわけなのだが、こうしたことに対して自民党案では何の効果も無い。
 まさに、自民党の総力を挙げて統一教会を守りきろうと必死のようなのだが、こうした態度を取るのは、一刻も早く法案を成立させて、マスコミの追求から逃れたいと言うことなのだろう。この後しばらくの間は選挙がないので、法案さえ通ってしまえばマスコミも静かになるだろう。とにかく、騒ぎを静めることが何よりも最重要だ、と考えていることは疑う余地すらない。

 以前から不思議だったのだが、統一教会の信者の殆どが女で、彼女らが自分で数千万円だの数億円もの巨額な資金を一人で稼ぎ出したとは到底思えないのだが。また、大勢の日本の女たちが一人数百万円もの大金を南米の銀行に預けたのだが、そのお金を文鮮明が自分の小遣いのようにして使ったという話もある。なぜ、南米なのかというと、文鮮明が釣りが好きで、南米で釣りをするための資金を日本のあんぽんたんに自ら運ばせたと言うことのようなのだが、こんな大金を持って、南米という遠方に行くことを夫は何も言わずに許していたのだろうか?さらに、文鮮明という悪党の言うがままにいとも簡単に大金を銀行に預けるという形式を取って献金してしまうというのもいかにマインドコントロールされているとは言え、異常としか言いようがないのだが、このお金の元々の持ち主は、その夫なのではないのだろうか。そうであればいかに夫婦といえども、夫の財産をかってに持ち出して韓国発祥の得体の知れない組織に献金してしまうなどと言ったことは法的にも問題の筈で、裁判に訴えれば取り戻せそうな気もするのだが、なぜかマスコミでは夫婦の財産権については全く取り上げようともしない。現金でなくとも、妻が田畑を売り払って数千万円の献金をしたという話もあるが、なぜ夫は統一教会に対して怒りをぶちまけるだけで、なにもしないままでいるのかが不思議としか言いようがない。もちろん、夫婦そろって信者ならまだしもだが、夫は信者で無い場合の方が圧倒的多数のはず。
 さらに言えば、なぜ、これほど長年にわたって統一教会に取り込まれたあげくに巨額の献金をしてしまう人が後を絶たないのか。いくら、愚かであったとしても、財産の全てを要求するなんて、おかしいと思わない頭の人がこれほどまでに多いという現実には、驚きを通り越して呆れるしかない。

 私も統一教会から勧誘を受けたことがあるので知っているのだが、勧誘をしてくるのは必ず異性で、私を勧誘してきたのも若い女だったが、彼女の話の端々に統一教会を思わせるものが伝わってくる。教会に来ることを誘って来たので出向いてみると、私が誘われて行った教会と称するところは外見は普通の民間家屋にしか見えないものだったが、中には数十人もの若い男女がいて、女たちは2階に住んでいるのだという。こんなたいして大きくもない普通の家の2階に、大勢の女が住んでいると聞いて驚いたことを覚えている。
 教会内には統一教会を思わせるような物は何もなく、オウム真理教のように教祖の写真もなかったが、なんとなくもしかして統一教会なのではと思わせる雰囲気が感じられた。私を勧誘した女に向かって、ここは統一教会なのではないのか?と聞いても曖昧な笑みを浮かべるだけで、そうだとも違うとも言わない。
 何度も教会に通ううちに、私を勧誘してきた女が文鮮明の書いた本を読むようにといって分厚い本を手渡してくれたのだが、その本の著者が文鮮明となっていたことから、勧誘された組織が統一教会であるとの確信を得ることができたのだった。
 私自身が統一教会の教会に数え切れないほど行ったことがあるのでわかるのだが、教会内で洗脳された状態の人の異様さを目にしていることから、元信者だという人がマスコミに出てきて洗脳などと言うようなことはないと明言しているけれど、全く嘘だと断言できる。
 初めて教会に来るように勧めてくれたときと言うのは日曜日で、日曜礼拝があるからと言うことだった。日曜礼拝というのは普通の教会の場面を映画やドラマで見たことはあるが、映画などの作り物ではない本物の日曜礼拝というものはどんなものなのかと思いつつ行ってみたのだった。私が教会に着いたときには既に日曜礼拝が始まっていたのだが、お祈りが始まると、異様な光景が展開された。映画やテレビで見るものとは全く違い、普通の一般家屋なので畳敷きの部屋の襖を全て取っ払って、1階を1つの大広間のようにしたうえで礼拝をしているのだが、そこここで奇妙なうなり声や絶叫が聞こえだし、身体をくねらせながら「かみーさま…」と叫んでいたり、中には床と言っても畳敷きの部屋なのだが、畳の上に倒れ込んでのたうちまわりながら「かーみーさーま」等と大声で叫んでいる。もちろん、そこにいる全ての人間がこのようなことをしているわけではないが、7−8人くらいの男女が狂ったようになにやら呪文のようなものを唱えながら、まさに狂喜乱舞している。見ようによっては阿鼻叫喚の姿にも見える異常な振る舞いをみたときに、子供の頃に映画で見た黒魔術を連想して、ものすごく薄気味悪い思いをしたものだった。
 そして、礼拝が終わると、それまで狂っているとしか見えなかった者どもが、けろっとして普通に振る舞っているのを見ると、私は先程まで床に横たわってのたうち回っていた男が他の信者と連れ合って近くに来たので、思わず顔をまじまじと見つめたものだが、彼は私のあからさまな怪訝そうな態度を完全に無視をしたのだった。
 なぜこのような異様なところに何度も通うと言うようなことをしたのかというと、まず、教会の玄関口に立つと、たくさんの人が出てきて「お帰りなさい!」と言うのだ。あたかもここはあなたの家で、家に帰って来たのね、と言いたげな優しい笑顔で迎えられる。一人でアパートに住んでいる者にとってはこれは恐ろしいほどに精神的な喜びを生じさせる効果がある。しかも、教会の中にいると、みんな異様なまでに親切で優しいのだ。この空間にいると、心が癒やされるというか、とても居心地が良いのだ。結果として、いつまでもこの場にいたいというような気分にさせられる。
 後に、マインドコントロールの専門家の話を聞いたのだが、世間から遮断した状態にして、一般社会からはまるで別世界のような状況に置くことがマインドコントロールの重要な方法のひとつなのだという。
 一人で孤独感を味わっていたり、家族関係に疲れていたり、会社でうまくいかないことが続いていて精神的に参っているような人にとっては、あの教会の中にいることはものすごく魅力的な環境にいると思わせるに十分なもののはずだが、まさに、詐欺師が、詐欺を行う相手に対して異様なまでに親切で優しい振る舞いをするのと同じだ。
 このような通常では絶対にあり得ないような精神的に安楽な状況に置かれることで、少しずつ本人が気づかないうちにマインドコントロール下に置かれてしまっていくのだと思われる。
 こうしたことから、テレビに頻繁に出てくる統一教会の元信者が何と言おうと、私はあの異様な振る舞いをしていた者は皆確実にマインドコントロールをされていたのだと思う。マインドコントロールもされていないのに、あのような常軌を逸したとしか言いようのない振る舞いをするはずが無いからで、私は教会に通い続けると言うことをしたが、信者になったことがないのでどのようなことをされたり、吹き込まされたのかは知るよしもないのだが、何らかの方法で少しずつマインドコントロールを受け続けたからこそ、あのような狂人を思わせるような言動を行うようになっていったのだと思われる。
 私が不思議と思うのは、今現在信者として活動している者も、すでに脱会したと言っている人たちも、入信する前には教会に出向いてあの異様な光景を目にしているはずだ。特に、統一教会の信者には圧倒的に女が多いのだが、礼拝の際のあの異様な光景を目にして薄気味悪いとか、気持ちが悪いと言ったような不快感を感じなかったのだろうか?
 ま、薄気味悪さはあったとしても、教会内のあの異様なまでの居心地の良さの方が勝ったのかも知れないが…。
 さらに言えば、2022年の今現在、30歳代位までの人なら統一教会のことを何も知らなかった、と言うことは十分ありえるだろうが、40歳代以降の人が統一教会のことを知らないはずが無いのに、なぜ、統一教会であることをうすうす感じながら漫然と教会に通い続け、信者にまでなってしまったのか、だ。なにしろ1980年代から90年代にかけては統一教会の悪しき振る舞いが頻繁にマスコミで報道され続けたし、霊感商法で被害者がたくさん出たときには連日連夜統一教会の悪行が報道され続けていたからだ。だからこそ私も警戒して教会には通っても入信すると言う段階で踏みとどまることができたのだが、今現在40歳代以上の人で、こうしたマスコミによる統一教会に関する大騒ぎを知らないはずが無いだろう。さらに、当時超有名だった桜田淳子の合同結婚式や飯干景子が統一教会に入信し、父親の飯干晃一が記者会見を何度もやって娘の脱会について、決死の覚悟を述べていたことなどを知らないはずが無い。それなのに今現在40歳以上で、統一教会に入信する者が後を絶たなかったのはいったいなぜなのか。
 恐らく、どの人も私と同じような経緯を経て入信をしているはずだが、普通の頭を持っていれば統一教会からの勧誘を受けていると言うことがわかるはずなのだ。私を統一教会に誘った勧誘者は、統一教会だとは一言も言わなかった。でも、何度か教会に通っているうちに疑問が湧いてきて、何度もここは統一教会なのでは?と勧誘者に聞いてみたのだが、彼女はいつも曖昧な笑みを浮かべているだけで、否定も肯定もしなかった。ただ、私としては、統一教会でないのならきっぱりと否定するに決まっているのに、否定をしないと言うことは統一教会であることを認めたも同じだと理解した。
 私自身何度も何度も教会に通い続けたことから、教会独特の居心地の良さにすっかり浸っていて、その居心地の良さにはまり込んでしまっていたのだが、文鮮明の書いた本を読まされた時点で、いくら教会にいることによる心地よさの魅力にとりつかれているとはいえ、こんな所にい続けたのでは自分も統一教会に取り込まれてしまうと思い、彼らと関わることを自身の内部葛藤の末に止めることにした。
 このように注意して観察するまでもなく、教会に行ったり文鮮明の書いた書物などによって容易に統一教会であることがわかるはずなのに、簡単に勧誘に乗って信者になってしまうというのはなぜなのか?例え、不安や不満があったにせよ、統一教会と言う組織は極めて危険な組織だと言うことはさんざん報道されていたのだから知らないはずが無いのに、なぜ漫然と統一教会に入信をするという選択をしてしまったのか。あまりにも馬鹿すぎて考える頭が無いために簡単にマインドコントロール下に置かれてしまうと言うことなのかも知れないが、それにしてもこれほどまでに多くの無分別な人がいると言うことには驚くしかない。
 逆に、それほどまでに統一教会のマインドコントロールが強力で巧みなのかも知れないのだが。
 しかしながら、どこの国にも愚か者というのは山ほどいるわけで、そうした圧倒的多数の無知で無分別な人々に対してマインドコントロールを行った上で、でたらめな教義を植え付ける。それだけならまだしも、お金はサタンそのものだ等と言って、悪い物を献金しないと大変なことになると脅し、生活に必要な最低限の生活費さえも取り上げて貧困状態にするわけで、信じられないほどに悪質だ。財産のある者に対しては、財産の目録を作らせ、最終的には財産の全てを収奪するなどと言うやくざやペテン師と何ら変わらないような輩どもを野放しにし続けた政治家、特に圧倒的な権力を持った政権政党の議員どもの責任は極めて重大だと言わざるを得ない。彼らは単に統一教会の悪行を放置しただけではない。統一教会の守り神として信者による悪行を公権力が介入、もしくは取り締まることを防いでいたのだ。

 それにしても、こうした韓国からのさまざまな巨額の資金の収奪に対して、今に至っても日本政府が毅然と対処すると言うことがなぜできないのか。これが日本の政権政党なのかと思うと、ほんとうに情けなくなる。自民党の議員の全てが統一教会の意のままに動く存在、と言うことでもないだろうに。
 日本の無節操な愚か者が、韓国発祥の得体の知れない組織によって大規模な金銭の収奪の被害者になっていると言うのに、そうしたことに対する危機感のようなものは、日本の政治屋どもには何も感じられない。政治家、特に自民党の政治屋からは国民を守るということより、統一教会の存続を図ることで、自分たちが選挙に勝てる状況を維持すると言うことの方がはるかに重要なのであって、そのことしか頭にないという印象しか持ちようのない状況が続いているのだが、このような自民党の対応には、呆れると言うよりも浅ましさを感じる。
 








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