ロシアとウクライナの戦争


2022.05.13




 昨日モーニングショーという番組を見たのだが、番組に登場していた軍事専門家の人が奇妙なことばかりを言っていた。
 ロシアが、ここはロシア領と宣言したらウクライナ軍は攻撃しにくくなる、等と言っていたが、そうならロシアは占領した地域をすぐにロシア領と言えば良いはずで、そんなことをしてもたいした意味が無いから言わないに決まっている。
 領土を占領された方は、戦って取り戻そうとするのは当然だからなのに、奪い取った方が、ここは自分たちの領土だと言えば、そこを攻めるのは難しいだなんて軍事の専門家が言う言葉かと思った。
 元々ロシア領だったところと、最近他国に攻め込んで奪いとったところとでは同じ筈が無い。
 さらに、ロシアの侵攻当初からウクライナを扱った様々なテレビ番組では、核を使うという可能性についてばかげた論議を続けているのだが、この番組でもあたりまえのように核使用について論議をしていたが、それではいったいどこに核を使うというのかについては一切言わない。どの番組でも登場してくる軍事の専門家と称する人たちは、核爆弾の可能性についてはいろいろというのだが、具体的な核爆弾の投下地点については言わない。
 個人的には、核爆弾を使う場所が無いと考えている。なぜなら、ウクライナの大都市は、ベラルーシやロシアの国境に近いところにあるからだ。
 しばらく前にベラルーシのルカシェンコが、核なんてとんでもないと言っていた。
 ルカシェンコが、ウクライナ人のことを思って言ったとは到底思えない。核爆弾を使うとすれば、一番可能性が高いのは首都のキーウだろうが、キーウはベラルーシの国境の近くにあるのに、そんなところに核爆弾を落とされたら死の灰がベラルーシに降ってくる可能性が十分すぎるほどにあると思ったからに決まっている。2番目の大都市であるハルキウもベラルーシに近いので、風向きによってはベラルーシに死の灰が流れてくるかも知れない。
 それでは今戦場となっているところと言っても、特に東部はロシアの国境のすぐ近くだ。そんなところで核爆弾を投下したら、死の灰がロシア領に流れてきたらどうするつもりなのか。ロシア人がそう考えないとでも思っているのだろうか。西部地域ならロシアからもベラルーシからも国境から離れているので、と思うかも知れないが、西部地域はポーランドの国境に近いので、ポーランドに死の灰が流れていったら、NATOが黙っていないだろう。
 最もわかりやすいところとしては、現実に戦闘状態にあるところだが、そんなところに核爆弾を投下したら、ウクライナ兵のいる真上で爆弾を炸裂させたとしても、その周辺にはロシア兵もいるわけで、核爆弾の被害をロシア兵も受けることになる。
 テレビに出てくる軍事の専門家たちは核爆弾の脅威を盛んに強調するのだが、いったいどこに核爆弾を使えるところがあるというのだろうか。
 とにかく、核爆弾を使ったら、その瞬間に核戦争の危険性が一気に高まる。核戦争は、使ったからにはできるだけ早く自国を攻撃してくる可能性の高い国の軍事基地を破壊しようとするからで、相手の攻撃よりも一刻も早く攻撃をしなければならないのだが、その結果は悲惨きわまりないことになることは、軍部に属している者なら誰もがみんな知っていることでもあるはずだ。まして、軍事専門家が知らないはずが無い。
 それこそロシアの殆どの都市は破壊され、1億人近い人が死傷するだろうし、欧米でも同じだ。
 日本人は核爆弾を投下された経験から、核の恐ろしさを知っているし、放射能の恐ろしさもよほどの馬鹿以外は知っているが、欧米もロシア人も驚くほどに放射能の恐ろしさを知らない。
 ウクライナの原発事故を起こしたところで塹壕を掘るなどと言うことをしたと言うことから見ても、彼らは放射能の恐ろしさについては無知だと言うことがわかるのだ。
 このために核爆弾によって町が破壊された後に、シェルターに入って直接核爆弾による被害を避けることができた人たちも放射能の恐ろしさを知らないために、広島や長崎の時と同じで外に出てきて被爆してしまい、命を落とすものが大勢でるはずだ。
 テレビに出演してくる軍事専門家たちは簡単に核の使用と言うが、いったん使ったら双方共が壊滅的な被害を受けることになる。こうしたことはプーチンもロシアの軍部の連中もみんなわかっているに決まっている。軍事専門家の言うような「いや、脅しに使っただけなんだよ」などということは通用しないに決まっている。核の発射ボタンが押された瞬間に、もう取り返しがつかなくなるのだし、それは専門家で無くたってわかりきっていることだからだ。
 もし、プーチンがやけを起こして核の使用を命令したとしても、軍部が素直に従うかどうかは大いに疑問だ。プーチンはやけくそになって死んでも良いと思ったとしても、国防総省の親玉であるショイグが拒否をして逆にプーチンに反旗を翻す可能性だって十分すぎるほどにある。なにしろ、軍の上層部にいる者は、愛国心が強いことを誇りにしている者どもが殆どの筈だからで、核戦争になったら愛する祖国の都市という都市は廃墟となり、そこに住んでいる人々の殆どが死ぬことがわかっているのだ。そうしたことになることがわかっている命令を、いくら独裁者の命令だからと言って唯々諾々と受け入れるとは到底思えない。軍部が、プーチンの命令に従わない可能性が極めて高いと考えるのが普通の筈。
 さらに、ばかげていると思ったのは、ロシアではテレビ放送で連日勝った勝ったと言っているのに、どうしてロシア軍が核爆弾の使用などを考えなくてはならないのかと言うことだ。とにかく、ロシアのテレビではロシアは連戦連勝なのだ。それなのに支配地域が大幅に増えていないのは奇妙と思うかも知れないが、ロシアのテレビではウクライナ全土の3分の1位がロシアの占領下に置かれていることになっている。日本のテレビと同じで、ロシアのテレビもロシア軍の占領地域は赤く染められているのだが、赤い部分の範囲が日本のテレビとは全く違っている。
 こうしたことは、NHKの海外ニュースなどを見ている人ならみんな知っているはず。
 ロシアは9日に対ドイツ戦勝記念日を迎えたが、プーチンは演説で具体的な「戦果」を誇示することができなかったのは、ロシアで放送されている戦況と現実の戦場との乖離がありすぎるために、へたなことは言えないという状態だったと思われる。もし、うっかりテレビで放送していることとかけ離れたことを言ってしまったら大騒ぎになる。だから、具体的なことは何も言えなかったのだろう。それこそ戦争宣言するとか、戒厳令のようなことをして大量動員などと言うことを口走ったら、テレビで言っていることと違いすぎる。テレビで連日勝利の放送しているが、あれはいったい何なのかと言うことになるからだ。
 現実とはかけ離れているとは言え、圧倒的多数のロシア人たちにとって戦争に関する情報は、テレビでのものしかないという状態なわけで、そのテレビでは戦いに勝ち続けていて、占領地を増やし続けていると放送し続けているために、殆どのロシア人たちはテレビの言うことを真実と思い込んでいるのだ。こうした状況下でプーチンの頭に戦争状態だとか核爆弾なんて思い浮かぶはずが無い。たとえ、思い浮かんだとしても、それを国民に向かって言えるはずが無いのだ。かつての日本軍の大本営発表と同じなのだが、この現実のウクライナでの戦いとロシアで行われているプロパガンダとの乖離が、これからのプーチンの判断の足かせになることは間違いない。
 日本のマスコミに登場してくる軍事専門家と称する人たちが思っていることと、一般のテレビだけの情報に頼っているロシア人が思っていることとは全く違うのだと言うことを知った上で判断しないと実態を見誤ることになる。











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