ウクライナへの侵略


2022.03.21



 プーチンという冷酷な殺人鬼によるウクライナへの侵略が始まって3週間が経ったが、当初は数日で首都のキエフは陥落すると言われていたのに、3週間経った今も陥落しないままだ。
 一体なぜなのかと言うことが多くの人の疑問としてあったと思う。私も疑問に思っていたが、一方で予想通りという気もしていた。
 なぜなら、1月の時点でアメリカが対戦車砲や対空ミサイルなどをウクライナ軍に供与し、2月の半ば過ぎ頃にもウクライナの飛行場に大量の対戦車砲が到着している様子が報道されていたからで、こんなにたくさんの対戦車砲がウクライナに到着しているという状況では、ロシアがソ連時代から得意にしていた他国に戦車隊を突撃させて、その国の体制を蹂躙するというやり方は通用しなくなるのでは無いかと思っていたからだ。
 実際、24日に戦車を先頭にして大規模なロシア軍の侵攻が行われたはずなのに、隊列が滞ったまま動きが見られないという奇妙な現象が起こったのは、先頭を突っ走っていた戦車がウクライナ兵の持っている対戦車砲の餌食になったからだろう。対戦車砲の砲弾が当たれば、戦車は一瞬にして鉄くずと化してしまう。もちろん中にいる戦闘員は即死だ。
 次々と被弾して仲間の戦車が鉄くずになっていくのを見たら、他の戦車に乗っているものは死にたくないという動物的な本能によって逃げ出すしか無くなるはず。
 戦車が先頭を切って相手の兵士をなぎ倒していくと言うことがソ連時代からのロシアのやり方なのに、この常套手段が通用しなくなってしまったのだ。
 相手を威圧し、圧倒的な攻撃力を持っていたはずの戦車が、逆に、攻撃され破壊されるという状況では戦車は前に進むことができずに、後方に下がったままと言うことになれば、その後に続いていた燃料や食料などの物資を運ぶトラックなどはその後ろで止まったままの状態が続くのは当然のことだ。
 ロシア軍の侵略行為が始まってすぐに専門家と称する人々がテレビの番組内で、ロシアによる総攻撃が始まるなどと言い続けているが、いっこうに総攻撃は行われないままの状態が続いている。たぶん、これからも総攻撃はないものと思われる。理由は簡単で、総攻撃と言うことは戦車を先頭にして大量のロシア軍が突撃してくると言うことなのだろうが、そんなことができないことはわかりきっているからだ。もし、戦車を先頭にして突撃をしてきたら、そのまえにウクライナの人々によってウクライナ軍に通報され、待ち受けていたウクライナ兵の殆どが持っている対戦車砲の餌食になることは確実だからだ。もう、報道されていないだけで、何度も戦車隊の突撃は行われ、そのたびに次々と戦車が破壊され、恐れをなした戦車が右往左往したあげくに逃げ出すといった状況を何度も再現されたことは容易に想像がつくことだからだ。
 ロシア軍の侵略行為がはじまってすぐにドイツの首相が1000門もの対戦車砲と装甲車両を供与すると発表したし、そのすぐあとにベルギー、オランダ、チェコも武器の供与を行うという発表をした。さらに、2月28日にはフィンランドの首相が自動小銃2500丁と1500門の対戦車砲の供与を発表した。
 これ以外にもアメリカを始めとした多くの国々が武器の供与を行っているはずで、もう、対戦車砲だけでもウクライナ軍は数千も持っていることになる。
 これがロシア軍の攻撃が停滞している一番の理由だろう。
 3月9日にはアメリカ議会がウクライナに136億ドル(約1兆6000億円)もの巨額な援助を行うことを可決した。
 この中から武器そのものの供与は35億ドルで、残りは武器だけでは無くウクライナがほしいと思ったものを買うための予算としていつでも使える状態になっている。
 しかも、この後アメリカはさらに追加の支援を行うと言明している。
 戦車での突撃によって、一気に相手を屈服させるという手法が使えなくなったことから、ロシア軍は遠くからミサイルを撃ったり、空爆を行うことでウクライナ人の戦意を削ごうとしているようだが、こうしたやりかたはウクライナ人の怒りを増幅させる効果しか無く、泥沼の戦いが続くことになるだろうが、ミサイルなどはとても高額なものなので、戦費が天文学的に増大することになるはずで、中国を除く世界中から経済制裁を受けているという状況では戦費が足りなくなるという可能性も十分すぎるほどにある。
 中国としても、あからさまにロシアへの軍需物資の援助を行うわけにも行かないだろう。せいぜい、原油や天然ガス、それに小麦などの穀物を大量に買い入れることで経済的なバックアップするのがせいぜいだろう。ロシアとしてはミサイルなどの攻撃用兵器の援助を中国に求めているのだろうが、そんなことをロシアの求め通りに応じたら、中国が制裁対象になってしまうからで、それは中国としても嫌に決まっているからだ。

 侵攻当初のロシア軍は軍事施設などを攻撃していて、町中を攻撃すると言うことがなかったのだが、ある時を境にして突然無差別攻撃を始めた。このきっかけとなったのが、日本では全く報道されていないが、ドイツ在住のジャーナリストの記事によると、ロシアの空挺部隊がキエフ近郊の空港に2機の軍用機で強行着陸を試みたのだが、着陸の前にウクライナ軍によって撃墜されてしまったのだ。
 この結果として、一瞬にして400人もの空挺部隊の人員が死んだのだ。これでロシア軍に怒りの炎が燃え上がったようなのだ。
 しかし、死んだのは一般人では無く、侵略軍そのものだ。放っておけば、着陸してウクライナ軍を攻撃してくることは確実だ。その前に撃ち落とすというのは、殺すか殺されるかという戦争状態にあっては当然のことだ。
 とにかく、まだ戦争が始まってたいして時間が経っていないのに、当然ウクライナ軍も攻撃能力はたっぷり残っているという状態の中で、攻撃している国の空港に軍用機を着陸させようとするなんてあまりにもウクライナ軍を嘗めきっていたとしか思えない。
 ウクライナ軍としては当然なことをしたのだが、ロシア軍としてはよくもやってくれたな!と言う激しい怒りが巻き起こり、一気に無差別攻撃に移行したと言うことのようなのだ。

 それにしてもマスコミに登場する人々は無責任に長期戦になるなどと言っているが、一方で戦費は1日に2兆円もかかるなどとも言っている。もし、ほんとうに2兆円もかかるのなら、2ヶ月足らずで100兆円を超えることになる。これほどまでに巨額な戦費を、国債の償還もままならないとされているロシアがまかなえるとは思えない。
 冷戦期の米軍の見積もりでは、ソ連軍の歩兵師団は攻撃の場合、1日に1223トンの物資(弾薬462トン、燃料620トン、食料31トン、その他110トン)を必要とし、これは兵士1人当たり90キログラムと計算されていた。
 ロシア軍が15万人をウクライナに侵攻させれば、1日1万3500トンの補給が必要だ。かさばる品目も多いから、トラック1台に5トン積むとして、毎日2700台のトラックが前線に到着しなければならない。
 しかし、これは何の妨害も無い場合の話しであって、ウクライナ軍が補給路に待ち構えていてトラックを攻撃すると言うことがあるはずで、そうなるとたちまちにして補給が滞ることになってしまう。
 実際に、ドローンをトラックの真上に飛ばして、そこから爆弾を落としてトラックを破壊している動画を何度もニュース番組で流されている。
 戦費も大変だが、補給の維持も容易ではないはずで、こんなことを長期間続けていたら、それこそロシア経済はめちゃくちゃになってしまうことだろう。
 ウクライナは、地続きのポーランドやハンガリーなどからいくらでも補給を受けられるという状態なのに対して、ロシアは全てを自分たちでまかなわないといけないだけでは無く、中国以外の殆ど全ての国から経済制裁を受けているという状態で、しかも、中国は無償では無く、資源と引き替えという態度に出てくるに決まっているのだ。この影響は、日が経てば経つほど効いてくることは確実だ。
 傲慢不遜を絵に描いたようなプーチンは、この始末をどう付けるつもりなのか、全くの見物としか言いようがない。

 マスコミに出てくる人たちは、悪いのはプーチンだけだと言ったようなことを言う人が殆どだが、そのプーチンを長年にわたって選挙で選んできたのは誰なのか、と言うことがある。
 そもそもプーチンという悪党は、泣く子も黙るKGBと言われたKGBの工作員だったのだ。
 ロシア人は、KGBがいかに残虐で冷酷な組織だったかということはどこの国の人よりもよく知っていたはずだ。それなのにKGBの工作員だったという男を大統領にしたのだ。
 しかも、そのきっかけとなったのがチェチェン紛争でプーチンが主導して数十万のチェチェンの人々を虐殺したことから、チェチェンでの紛争を力で押さえつけたと言うことから有能というロシアでの評価が高まったからなのだが、血塗られた殺人鬼を英雄視するというロシア人の異常性がこうしたことに繋がっているわけで、ロシア人は悪くない悪いのはプーチンだけだという考えはあまりにもナイーブすぎるし、幼稚すぎる発想だ。
 多くのロシアの愚か者がプーチンを長年支えてきたのだし、今も多くの愚か者がプーチンを賛美し続けているわけで、悪いのはプーチンだけでは無く、ロシアの愚かな民衆も同じなのだ。
 今後経済制裁によって非常な苦難がロシア人を襲うことになるだろうが、自業自得も良いところだ。
 ロシアには豊富な資源、天然ガスや原油があったことからこうしたものに経済の多くを頼ってきたのだが、これからはヨーロッパがロシアに頼らないという政策を加速するだろう。まさに、脱炭素は環境だけじゃない。ロシアとのつながりを断つためにも大切なことなのだという観点から、多少電気代やガス代が上がったって仕方が無い、と言う気運が高まることは確実だが、それはロシア経済を永遠に苦しめることになるのだ。

 とにかく、ミンスク合意というロシアとフランス、ドイツがかってにきめたものすごくウクライナにとっては不平等なものをゼレンスキー大統領が、当然と言えば当然だが無視することに決め、NATOに加盟することに固執したことが、プーチンの侵略理由の表向きの建前だが、実体はソ連の崩壊は地政学的な悲劇だと言うことを、プーチンは大統領になった当初から言い続けているわけで、プーチンとしてはソ連だった頃に領土を戻したいのだ。
 かつてソ連だった国の殆どがロシアを嫌ってNATOに入ったり、入ろうとするのはなぜなのかと言うことには全く考えもせずに、自分たちの思い描いたロシアの形というものにこだわって、ウクライナを我が物にしようとしたのだ。
 これまでに、チェチェン紛争でプーチンが数十万人もの人を虐殺したときにもたいした問題にならなかったし、クリミア半島を強奪したときもたいした制裁を科されなかった。今回はアメリカの大統領がバイデンなので、バイデンのアフガンでのお粗末な対応を見てどうせ彼はなにもできないだろう、とたかをくくっていたからなのだろう。しかし、プーチンとしてもウクライナ軍がこれほどまでに頑強に抵抗するとは予想外だったはずだし、バイデンがこれほど強い経済制裁をしてくると言うのも予想外だったことだろう。

 ロシア人というのは、元々傲慢で愚劣な民族なので、自分さえ良ければ良い、自分の家族さえ良ければ、自国さえ良ければという考えが極端な民族なので、遙かな昔から嫌われ続けてきた。
 日露戦争当時日本はものすごく貧しい国で、普通に戦っても到底勝てるような状況では無かったのにロシアに勝つことができたのは、ロシアが世界中から嫌われる存在だったからなのだ。
 当時、ロシアとフランスは軍事同盟を結んでいたのに、ロシア軍の艦隊がフランス領の港に寄港するのを一切認めてくれなかった。おかげで、ロシア艦隊は燃料と食糧の補給に苦しむことになる。
 貧乏でお金が無い日本には、頼みもしないのにユダヤの組織から多額の援助が寄せられた。
 まさに、今のロシアとウクライナの戦争と状況がとてもよく似ている。
 このように、ロシアというのは遙かな昔から他国から嫌われ、非難される存在なので、世界から制裁を受けることにはなれているのだ。
 世界から非難され、経済制裁を受けているが、遙かな昔からこうしたことが行われ続けていることから、ロシア人からしたら、また始まった、くらいにしか考えていないだろう。
 このためにプーチンが失脚する可能性は絶対に無いとは言えないが、殆ど無いだろう。
 傲慢で尊大なロシア人にとっては、いかに世界から批判をされようとも気にしない。
 人口の割には広大な国土を持っていて、そこから食べ物は豊富に採れるので、自国で最低限の食料はまかなえることから、他国からの非難をバネにしてがんばろうという考えのものが大半だろう。だから、いかに経済制裁を加えられようが、たいして気にしないで好き勝手なことをこれからも続けることだろう。







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