自民党の総裁選とその支持者たち




2021.9.30.




 自民党の総裁選の結果岸田が自民党の総裁に決定したようだが、若者を中心にして河野を押す傾向が強かったし、多くの一般の自民党員も河野を押していたようだ。
 こうした傾向に対して、産業界からは強い懸念が上がっている。
 今回河野が総裁にならなかったことは、改革派の敗北と言うよりは自民党内の良識派が勝ったと言うことなのだろう。もちろん、良識派と言うより権力を自分たちに、冷や飯を食いたくないという考えの持ち主によって、あのような結果になったと言うことの方が正しいのかもしれないが。

 良識派と最初に書いたのは、しばらく前のトヨタの社長が会見で、このままだと2030年代の早期までには、2040年からの海外移転スケジュールを考えざるを得ないでしょう、と言っていたことがあるからなのだ。
 トヨタの社長が日本を出て行くと言っているのに、馬鹿マスコミは殆どが、ああ、そうなのといった風で驚く気配も無い。
 このマスコミの反応の方が驚きだが、まさに馬鹿マスコミの面目躍如と言ったところだろう。
 トヨタという大企業が日本を出て行くと言うことは、あまりにも重大すぎて、馬鹿マスコミには理解ができないのだろう。
 なぜ、トヨタの社長がこのようなとんでもないことを言い出したのかと言えば、河野と言う代議士が馬鹿マスコミの悪影響なのだろうが、電気自動車、電気自動車と盛んに電気自動車を強調し始め、2035年以降エンジン車の製造を認めないというようなことをぶち上げているからなのだ。
 ま、ヨーロッパでも同じようなことを言っている国があるからなのだろう。しかし、もし電気自動車に全てが置き換わった場合、電気はどうするのか。 
 日本の電力会社は、今は多くが石炭で発電しているのだが、自民党によると石炭発電は新規は認めないし、今あるものも廃止の方向だという。原発も河野は廃止を言い続けてきている人物だ。これからは太陽光発電だと言っているようなのだが、日本では太陽光パネルがおける場所は限られてきているというのに、原発も石炭火力も廃止と言って、それで電力はまかなえるのか、と言う問題がある。
「再生可能エネルギーで電力をまかなうことになったら料金が高騰することで、日本の産業の競争力が失われるのではないか」という危惧に対して、河野は「電力料金が高騰することによって産業構造の変化を促進できる」「もはや製造業はオールドエコノミーであり、日本はGAFAの世界に進むべきだ」という発言があった、と、自民党の関係者が漏らしている。
 そんな簡単にGAFAができるのなら、とっくの昔にどこの国でも皆やっているだろう。まさしく、ぼんぼん育ちの世間知らずという悪い部分が出てきたとしか言いようがない。
 おそらく、こうしたことを言えば先進的で革新的というイメージを印象づけることができて、若者に好感度を与えることができると考えているのかもしれない。確かに、馬鹿な若者や自民党員には良い印象を持ってもらえたようだが、完全な机上の空論であることも確かなことなのだ。

 そもそも世界中の自動車が皆電気自動車になるなんて考えられない。馬鹿マスコミは現実がわからないから、政治家が決めればその方向に進むと思っているようなのだが、リチウムイオン電池の製造がそんなにたくさんの自動車に対応できるとはとうてい思えないし、資源という観点からもリチウムが世界で走っている自動車1億台もの電気自動車を動かすほどの量をまかなえるとはとうてい思えない。何しろ、今現在でもリチウムの生産が間に合わなくて価格が急上昇しているし、他にコバルトなどのバッテリーの製造に必要な金属類も足りないという状態なのだ。
 日本ではまだ1%程度しか電気自動車が走っていないのに、この有様なのに日本全国の自動車が電気自動車になるなんて、資源という観点からも現実的ではないと思われている。それなのに、世界中の自動車が電気自動車になるなんてありえない。50年とか100年のスパンで考えるのなら、技術開発によって可能になるかもしれない。今は研究中だがリチウムのかわりにカリウムを使ったバッテリーとか硫黄を使ったものが開発されて実用化されれば別だが、こうした物質はどこの国にも大量にあって材料不足になる心配は無いからだ。だが、そうした夢のようなものが10年や15年で実用化し、世界の自動車の製造が全て電気自動車に変わるなんておとぎ話としか言いようがないのだが、河野は大まじめなのだ。
 日本は物作り大国の筈が、河野はそうしたものは時代遅れの産物だと言っている。
 物作りに携わっている人は、日本に数千万人は居ると思うのだが、河野はそうした人から仕事を奪おうとしているのだ。
 河野を支持している人たちは、河野が何を言っているかわかっているのだろうか。
 こうしたことを言っているのは何も河野だけでは無い。小泉環境省も同じようなことを言っている。
 このような現実離れをしたことを言っている人が少なくない政党を、支持し続けることの危険性について考えたことがあるのだろうか。
 科学とは無縁の情緒論で人々に訴えるというのは極めて幼稚だし、政治家としては間違っている。言うまでもないことだが、経済というものは、科学の上に成り立っているものだからだ。

 それとも自民党の支持者たちは、世界的な潮流なのだから、と言うことで政治家の言うがままになることを選ぶのだろうか。
 トヨタが最近水素エンジンを盛んに言い出し、コマーシャルでも頻繁に放送しているのは、物好きからでは無い。このまま政治家の言うがままになっていたのでは、大量の失業者が出て大変なことになるというメッセージなのだ。
 環境問題は重要だが、要点は二酸化炭素やメタンなどに含まれる炭素なのであって、エンジンが悪いわけでは無いというアピールなのだが、殆どの自民党支持者のあんぽんたんはボヤーと生きているので、トヨタが発信しているメッセージを理解する頭が無いのだろう。
 エンジンの燃料を水素に変えれば、それだけで二酸化炭素は出なくなる。話は簡単では無いかと言っているのだ。エンジン車の製造を強引に止めさせて、非現実的なEV車に移行する必然性がどこにあると言っているのだ。

 おそらく、上記のようなことが自民党内で進行していることなど日本人の殆どが、そう言われてみればそんなことを聞いたことがある、と言った程度なのだろう。
 でも、トヨタの社長は危機感を抱いているし、真剣にまじめに言っているのだ。


 自民党の革新派を自称している連中は、ヨーロッパでは電気自動車が大変な勢いで進行しているし、アメリカなどもエンジン車の製造を止めるとは言っているので、そのノリで言っているのだろう。でも、アメリカのようなあんな広い国に、どうやってわずか10年やそこいらで充電スタンドをくまなくおけるのか、という問題がアメリカで起きていることなど知らないのだろう。
 ヨーロッパでも失業者が大きな問題になっている。もし、政治家の言うように今走っているクルマが皆EVになったら大量の失業者が出るということが懸念されている。さらに問題なのは、そんなにたくさんのリチウムイオン電池をどうやって調達するのかと言うことがある。さらに問題があって、大量のリチウムイオン電池が廃棄されることになるのだが、これをどう処理するのか。
 こうしたことの全てが未解決のまま政治家たちがEV車の良い部分しか見ないで将来のことを語っているのだが、一番の問題は肝心のリチウムイオン電池の調達だ。もっと言えば、リチウムというきわめて入手が困難なものをどうやって長年にわたって調達し続けるのか。今でさえもリチウムの価格が急騰しているというのに。
 このほかにもEV車ならではの大きな問題がある。今はEV車の割合が小さいためにあまり問題視されていないが、事故が起きてバッテリーが発火したときだ。たいした事故で無くてもバッテリーが損傷すればバッテリーが発火する。しかも、いったん発火したら簡単に消すことができないのだ。
 2021年4月17日夜、米国テキサス州ヒューストン北部で米テスラのEV「モデルS」が木に衝突して炎上し、2人が死亡した事故では、テスラの消火に使った水の量は一般的な車両火災とは比べものにならないほど多く、具体的には約2万8000ガロン(10万5991リットル)もの水が必要だったのだ。山火事を消すのに使う世界最大級の消防用航空機(ジャンボジェット機)で運べる水が約2万ガロン(7万5708リットル)なので、その量の多さを推し量れる。
消火に当たった消防署の署長は現地メディアのインタビューに対して「我々が経験したことのない事故現場だった」と語った。火を消すまでに要した時間は約4時間。「通常の車両火災は消防隊が到着すると、数分で鎮火できるものだ」(同)と事故の特殊性を指摘する。
 EV車がいったん発火したら消火するのに数時間から10時間近くもかかるのだ。
 もし、世界中の自動車の殆どがEV車となったら、こうした事故の度に長時間道路が閉鎖状態になるというのは、大きな問題となることだろう。

 エンジン車は作っても売れなくなるという人も居るが、上記の問題が噴出してきたときに、廃止の年限がどんどん先に伸びていくことは目に見えている。そのときに水素で走るエンジン車がなぜだめなのか、という議論が出てこないはずが無い。
 EVがほしいと言ってもリチウムが足りないためにバッテリーが作れないので、2年待ち、3年待ちとなったら、そしてエンジン車ならあるよ、となったらどうなるだろうか。
 そんなことが起こるはずが無いと思われるかもしれないが、今現在半導体が足りないために新車によっては数年待ちのクルマが続出しているのだ。半導体よりもリチウムという原材料が無いと言うことの方が遙かに深刻な問題となることは火を見るよりも明らかなことだ。
 考えてみるまでも無いことだと思うのだが、今でさえもリチウムの価格が高いのでEV車はものすごく価格が高い。テスラは言うまでもないことだが、日本の比較的低価格のEV車でも400万円以上するのだが、これが将来リチウムの調達がさらに逼迫すれば、もっと高くなるだろう。
 こんな高価格の自動車が東南アジアや南米、アフリカ諸国では絶対に普及しないだろう。エンジン車なんて買う者などいないなどと言っているものは、軽自動車を買っている人のことなど全く頭に無いのだろうが、現実が全く見えていないとしか言いようがない。
 軽自動車が最も多く売れている日本では高額なEV車など多分普及しないだろうし、アメリカやヨーロッパでもエンジン車の廃止なんて不可能だろう。
 今エンジン車を廃止にすると言っている政治家たちは、10年後も政治家でいるかどうかはわからないので、何とでも言えるのだ。
 バイデン大統領なんて、10年後は生きているかどうかさえ怪しい。
 アメリカはあんなに広大な国なのに、長距離を走る列車が殆ど無い。
 アメリカでの長距離移動は殆どが飛行機なのだが、エンジン車を止めて飛行機では本末転倒もいいところだ。さらに、貧しい人々はEV車なんて買えるはずが無い。
 自動車に限らず、なんでも普及すれば価格は下がるものなのだが、EVはリチウムイオン電池という資源に限りのある物質に依存しているので、それが足かせとなるために、普及すればするほど価格は上がってしまうのだ。
 エンジン車であれば、中古車になると価格が下がるので貧乏人も買えるのだが、EV車は蓄電池がだめになるので、今でも中古車市場では価値が無くなってしまっている。
 政治家は、そのときの気分や情緒でいろいろと言うが、全ての経済は科学の上に成り立っている、と言うことがわからない人が少なくない。











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