アフガニスタンという国




2021.8.20.


 アフガンがタリバンの手に落ちて、これでもう終わりと思っている日本人が殆どだろうが、タリバンにとってはこれからが生き残っていく上での試練になる。
 これまではタリバンという武装勢力だけを援助していれば良かったパキスタン。タリバンの生みの親でもあるのだが、パキスタン自体が貧しい国なのに、アフガニスタンという国全体を運営するだけの資金を援助することなどできる筈もない。
 これまでは欧米や日本などから莫大な資金援助を得ることで国が成り立っていたのだが、タリバンに政権が移ったことからそうした資金源は断たれることになってしまった。
 これまでは、たくさんの軍隊を維持するためという名目で、米国からアフガン政府軍に対して過去20年間で880億ドル(約9兆6千億円)もの巨額な資金を支払わせ続けていた。
 しかし、巨額の資金を受け取っていたはずの政府軍には、実際には軍隊といえるほどの人員なんて殆ど存在しないことが明白になったわけで、政府軍を維持するためという名目で受け取っていた巨額の資金は政府関係者や将軍たちが山分けにしていたと言うことはずいぶん前から言われ続けてきたことでもあるのだが、アメリカもアフガンに駐屯している米軍関係者にはもちろんうすうす感ずいてはいたことだろうがあえて気づかないふりをしていた。もし、こうしたことがアメリカ国内で全て露呈してしまったら、いったい何をやっているんだと言うことになり、それこそマスコミから総攻撃を受けることになるのはわかりきっていたので、わかってはいても放置していたのだ。
 しかしながら、アメリカ政府からしてみたらアメリカがアフガンの正規軍に巨額の資金を提供しているのだ。当然、それに見合う軍隊が存在しているに決まっている、と思い込んでいたらしい。もちろんCIAなどの情報機関が知らないはずはないのだが、なぜか政府には実態を隠していたようなのだ。だから、アメリカ軍が撤退したとしてもアフガン正規軍は30万人もいるのだから、少なくとも2−3年は持ちこたえるだろうとバイデン大統領は明言していたのだ。それからたいして日を置かないうちに、2−3年ではなく2−3日しか持たないと聞かされたときのアメリカ大統領の驚きはどのようなものだったことだろう。
 バイデン大統領も戦う気のない軍隊のかわりに米軍が戦って傷つくのは止めなければならないと言っていたことから、アフガンの正規軍が無気力だったことは知ってはいたようなのだが、これほどまでにいい加減ででたらめだとは思っていなかったことだろう。
 とにかく、20年前の最初に米軍によって大統領の地位に就くことができたカルザイ政権の発足時から汚職に塗れていると言われていたわけで、誰がなったにしてもアフガン人による政権と言うことになれば、必ず汚職に塗れることになるのは確実なのだ。
 バイデン大統領も欧米や日本などの普通の国の常識と、アフガンという未開の地に住んでいる輩どもの常識とはあまりにかけ離れていることに驚き、失望落胆したことは間違いない。

 元々山岳地帯で、殆ど何もないアフガニスタンと言う国を今後どうやって運営していくのか。タリバンは人を殺すことは得意だが、国家というものの経済を運営していく能力なんて何もないのだ。
 そこで考えられるのは、北朝鮮と同じで世界中から忘れられてしまったのでは大変だと言うことから、世界各国でテロを引き起こす。
 さらに、これまでタリバンの資金源となってきた麻薬の製造を国を挙げて大々的に行う。作った麻薬は、欧米だけではなく、当然日本などにも運ばれてくることになるだろう。
 テロや大量の麻薬が嫌なら資金援助を!と言うかつて行っていた方法をまたやる以外に彼らの生きる道はないと思われるのだが、これは欧米にとっては2-30年前に逆戻りを意味するわけで、極めて頭の痛い問題となることだろう。
 こういう他国を脅すことで資金を得る以外に生きる道がないと言う国が存在するということは、困ったことだとしか言いようがないのだが、とにかく、ずるくて卑怯で独善的という人種がアフガンの地に存在しているわけで、彼らを抹殺するわけにも行かないし、そんなことは不可能だと言うことも、これまでの歴史が教えてくれている。
 今は、多くの日本人はアフガンでのことは全てが終わったことだと思っているだろうが、そのうちに思いも寄らないことが起こることは確実だ。何しろ、彼らも生き残っていかなければならないのだから。
 アメリカの専門家もこう言っている。
「米国がアフガンにいるテロリストのグループを監視し、攻撃する能力は今後、限定される。現地での情報収集能力が欠如し、この地域での軍事力も限られるからだ。アフガンを巡る「何かはわからないけれど、何かがあることはわかっている」という事柄はこれから、飛躍的に増えていく。それだけでも米国にとっては悪いニュースだ。」









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