ルネサス、イギリスの半導体メーカーダイアログの買収に合意




2021.2.09.

 半導体大手のルネサスエレクトロニクスは8日、イギリスのダイアログ・セミコンダクターの全株式を取得することで合意したと発表した。アドバイザリー費用を含む買収価格は6179億円。ダイアログは高速通信規格「5G」関連の技術を持つ。現在、ルネサスの半導体の主力は自動車向けだが、米中摩擦や車載半導体の不足など経営環境が変わる中で、成長が見込める5Gに経営資源を集中させる。
 日本を代表する半導体メーカーであるルネサスエレクトロニクスは、約半分が自動車用の半導体を作っていると言われているのに、今回の自動車用の半導体不足についてはマスコミから全くと言って良いほど名を上げられなかった。もっぱら台湾のファウンドリー企業が原因であるかのような対応で、恐らくルネサスエレクトロニクスとしては、無念な思いが強かったのではないだろうか。
 台湾のファウンドリー企業であるTSMCなどが半導体製造に間に合わないせいで世界の自動車メーカーが困難な状況に陥っていると言った話しばかりがニュースで流され続けてきていたが、TSMCは自動車用の半導体については3%程しか作っていないのだという。
 こうしたことを知ってか知らずにかは知らないが、日本のマスコミは「GMは北米の3つの完成車工場で生産を休止した。アメリカ政府は台湾積体電路製造(TSMC)など主要な半導体メーカーを抱える台湾に供給拡大を求めている。」などというばかげたフェイクとしか言いようのないものをニュースとして流し続けている。
 アメリカは半導体製造はファウンドリー企業に任せた方が得だという考えから、半導体の製造を止めてしまった。半導体は設計や仕様については自社で行うが、実際に半導体を作るのはファウンドリー企業という考え方で、これで成功した典型がアップルだ。これに対して日本では殆どの半導体メーカーは自社工場を持っていて、そこで半導体の製造を行っているのだが、これが愚かなマスコミにとってはとても評判が悪かったのだ。自社工場で半導体を作っているなんて時代遅れだとか、そんなことをいつまでもやっているから日本の半導体メーカーは落ち目なのだと言われ続けてきた。しかし、日本の半導体メーカーのなかには、半導体を製造するための機械まで自社で作っている会社がある。マスコミから言わしたら愚の骨頂だろうが、自社で半導体を作る機械を開発すると言うことは他社が真似が出来ないと言うことなのだ。中国人は真似が得意だが、独自の半導体製造機器で作ったものは、その独自の半導体製造機器がないといくら中国人でも真似のしようがない。
 そのうえに、最近のように半導体が足りないという事態になると、アメリカのように全てを外国のファンドリー企業に委託していると言う状態ではなすすべが無い。要するに、お願いし続けるしかないのだ。しかも、台湾に自動車用の半導体の増産をお願いしても殆ど相手にされないだろう。
 日本では殆どの半導体メーカーは自社工場を持っているので、自動車メーカーは半導体メーカーに増産を要請することが出来る。ルネサンスは80%程度の生産体制なので、まだ十分余裕はあるのだ。ただ、半導体のラインを整えて製造段階にまで持って行くには費用と手間がかかるので、その費用負担をしてくれと言っている。

 自動車用の半導体は万が一にも故障すると事故に直結すると言うことから、自動車メーカーからの要望がうるさいうえにあまり儲けさせてはくれない。このために台湾のような最先端の半導体の受注を行っているような会社は、以前から自動車用の半導体を作りたがらないという傾向があった。
 こうした状況で、昨年の春頃には新型コロナの感染者の拡大を受けて、自動車メーカーは大幅な減産の意向を示し、半導体メーカーには発注を大幅に引き下げた。これを受けて半導体メーカーは自動車用の半導体を作っていたラインをパソコンやスマホなど用のラインに組み替えた。所が、自動車の販売が急拡大し、自動車メーカーは慌てて半導体メーカーに増産を求めてきたのだが、そう都合良く行くか!と言うのが半導体メーカーの言い分だろう。
 今回の半導体不足を受けて、ルネサンスを始めとした日本の自動車用の半導体を作っているメーカーは、この時とばかりに自動車の製造販売メーカーに値上げを要求しだした。半導体がほしいのなら、ラインを整えるのには莫大な資金が必要となるので、その資金を出してくれと言うことなのだろう。
 これに対して、半導体メーカーなんて自動車メーカーからしたら、下請けの最下層の下請けという見方をしていたのに、何しろ下請けの部品メーカーが半導体メーカーに発注するものだからで、その最下層の下請けから値上げの要求を出されたのだ。自動車会社はさぞや驚いたことだろう。

 こうした状況下では、自動車用の半導体を作っていてもうまみは少ないし、マスコミからは日本の半導体メーカーは落ち目だダメだとしか言われない。上記のニュースでもわかるように、日本の半導体メーカーは落ち目で問題外と愚かで無知なマスコミから思われている。
 こうしたきわめて不名誉な状況で、いかに半導体が不足しようがたいして儲からない商売を続けていても仕方がないと思ったのだろう。ルネサンスは、今回6179億円という高価格でイギリスの半導体メーカーを買収することにしたのだ。
 マスコミは、日本の半導体メーカーは落ち目だの中国や台湾と比べると周回遅れだのと馬鹿にし続けているが、ルネサンスはしばらく前には1兆円規模の買収を行い、今回は6179億円と巨額な買収劇を演じて見せたわけだが、マスコミの言うようにいつ潰れてもおかしくないような企業にしては、お金があると思わないだろうか。
 これだけの巨額な資金をつぎ込んで他国の企業を買収できるとと言うことは、企業体力があると言うことなのだし、簡単に潰れるような企業でもないと言うことを、世間に見せつけたいということもあったのではないだろうか。










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