日本メーカーと中国メーカーの技術力




2020.10.11.


 少し前に東芝のビデオを買った。
 東芝は、家電のブランドを中国企業に売ったと言うことは知っては居たが、家電というのは先端技術ではないのだから、中国企業であったとしても日本の企業と大差がないに違いないと思って購入したのだが、この期待は見事に裏切られてしまった。
 東芝のビデオを買うについては、10年ほど前に東芝のビデオを購入したのだが、その時には結果がとても良かった。
 中国企業が東芝のブランドを買うについては、東芝でビデオを設計していた技術者などもブランドと一緒に移籍したのだろうと思っていた。技術者が同じであれば操作性なども余り大きくは変わらないのではないのかと思ったので、再度ビデオを購入するについてはあえて東芝にしたのだが、実際に買って使ってみると完全に別の会社が作った物だとしか言いようのない物で、昔の東芝の面影など微塵も残っては居なかった。
 10年前の物と今の物では、技術というものは日進月歩と言われる位なのだから、操作性などは10年の間に圧倒的に良くなっていると期待して購入したのだが、そして実際に良い方向に変わっているのであれば良かったのに、はっきりいって10年前の東芝のビデオの方が遙かに操作性が良いのだ。
 勿論、ハードの面では格段に良くなっていたが、ソフトの面では比較するのもばからしいくらいに劣っていた。もし、古いビデオを知っていなければ、こんな物かも知れないと思って受け入れていたと思うのだが、幸か不幸か同じ会社名の製品を長年使い続けていたために、返って使う度に不満が吹き出してくると言うことになってしまったのだ。
 なぜ、10年前の古い物より最新の物の方が使い勝手が悪いのだ!
 10年前に購入したときに、ビデオを再生しながら編集したいと思ったら、そのままの画面の状態で編集が出来てしまうということに驚いたものだった。東芝の前に買ったHDD内蔵の最初の物は、編集をしたければ編集用の画面に切り替えないと駄目だったので、これは画期的だと思ったものだった。
 所が、今回買ったものは編集をしたければ編集用の画面にしないとだめなのだ。これでは17−8年前に買ったHDD内蔵の最初に買ったビデオと同じということになり、少なからずがっかりさせられた。さらに、10年前の物と比べても明らかに辞書がバカだと言うことが言える。10年前のものも何でこうパソコンと比べると辞書がバカなのかと思ったものだが、10年も経っているのだから当然辞書は賢くなっているに違いないと思っていたのに、どうみても10年前のものより辞書はバカだし、全ての操作性が恐ろしく悪い。
 この辞書いかにバカかという例として、老眼と言う文字が変換できない。老眼なんて普通に使う単語の筈だが、この程度の単語すらも変換できないのだ。老眼を変換するには、老人を変換して、人を削除し、めを変換するという大変手間のかかることをしないといけない。他の文字でも殆どまともに変換できないので、老眼と似たようなことをしないといけないのだ。
 昔のものは、17−8年前の初期のHDD内蔵のビデオもそうなのだが、日本の企業が製造したものは文字や記号を探そうとすると、文字や記号などが画面いっぱいに開くので、その中から探すと言うことでわかりやすいのに、今回買った最新の物は文字も記号も画面上に展開すると言うことはなく、数字キーを押すとその度に文字や記号が1つだけ出てくる。このために、ひたすら頭に描いている文字や記号が出てくるまで数字のキーを押し続けないといけないのだ。もし、機械的にキーを叩いていてうっかり通り過ぎてしまったらまた最初からやり直しなので、神経が疲れる。このうんざりするほどキーを叩かないと文字や記号が出てこないという作業を、何度も何度も繰り返さなければ希望の文字列にならない。10年前の古いものは文字や記号が1度出ると、その文字を覚えていて、また同じ文字や記号を出そうとすると、すぐに出てくるのに最新の機器であるはずの最近買った中国メーカーが製造したものでは文字や記号を選択し終わると、完全に元に戻ってしまい、同じ文字や記号なのにまた最初からキーを押し続けないといけないのだ。
 フォルダー機能も10年前の物はパソコンのフォルダー機能とそっくりなのでとてもわかりやすいのに、最新の物はとてもわかりにくい。
 ダビングも10年前の物は、フォルダの中を見ればタイトルに時間が表示されているのでこのタイトルとこのタイトルを合わせると丁度DVDにダビングするのにピッタリになると言うことが一目瞭然なのだが、最新の中国メーカーのものはタイトルを選択した時には時間が表示されるが、違うタイトルに移ると時間が消えてしまうので、DVD-Rの容量に合うようにするためにはメモをして計算をしないといけない。これは良くなったのでは無く、明らかに使い勝手が悪くなっている。
 10年前の物は、とても細密な編集が出来たのに、最新の物ではおおざっぱな切り込みや消去しかできない。
さらに、昔の物は皆時計がついていたので、番組の進行具合が一目でわかったのに、時計も無くなったので、今見ている番組は終わりに近いのか、それとも半分くらいなのかがわからない。表示ボタンを押すと画面の下に横向きの棒グラフが出てくるが、小さいのでよく見えないし、画面の下に棒グラフがあるのはうっとうしいし、下に出てくる文字などが見えない。
 まだまだ不満はいくらでもあげられるが、要するに、10年前の物より良くなったのは、処理スピードだけで、それ以外の使い勝手のソフトの部分では全てが昔のものよりも多少ではなくひどく劣っている。
 更に、購入後しばらくしてからとんでもないことがわかった。
 購入した直後にはダビングというのは考えていなかったので、当然ダビングは普通に出来るものと思い込んでいたのだが、実際にダビングをしてみると驚くべき欠陥があることがわかったのだ。
 ダビングを選択すると、ダビングの画面が出てきて画面の指示通りに進めば良いのだが、ダビングするために番組を選択する画面に来ると、標準がXPでのダビングになっている。私が録画しているのは殆どが情報番組なので、情報がわかりさえすれば良いと思っているので殆どをLPで録画をしているのに、XPでのダビングを要求してくるのだ。全くあり得ない設定で、考えられないバカがこうしたことを考えたとしか言いようがない。あたりまえすぎるほどあたりまえだが、LPで録画したものをXPでダビングしたところで画質はLPのままに決まっているからだ。それこそ無駄にDVDを増やすだけだ。そこで設定をXPからLPに変更すると、LPでのダビングが出来るのだが、この方法を選択すると等速というか、要するに録画した時間と同じ速度でのダビングになってしまう。LPなのでDVD-Rに4時間ほど記録できるのだが、この最新の東芝ブランドのビデオではダビング時間が4時間かかると言うことなのだ。
 一番最初に買った15年以上前の古いHDD内蔵のビデオでもダビングは数分で終わる。10年前に買った東芝のブランドのビデオも数分でダビングが終わるのに、最新の東芝ブランドの中国メーカーが製造したビデオでは4時間もかかるのだ。
 古い東芝のビデオでも音楽番組を録画するためにSPで録画をしたのだが、時間が長くなってDVD-Rに収まりきれない時にぴったりを選択するかを聞いてくるので、それでokを押すと録画時間と同じ時間がかかると言うことがあったが、これは本来とは違う状態でダビングするからだろうと思い納得していた。所が、最新の東芝ブランドのビデオでは、LPで録画をして、その録画時間に入る状態でLPでダビングしているのに録画時間と同じ時間がかかるのだ。
 まあ、よくもまあこのような酷い製品を堂々と販売しているものだと感心するしか無い。日本のメーカーなら絶対にあり得ないだろう。
 考えてみると、日本メーカーが製造販売しているビデオには皆時計がついているが、中国や台湾に経営権が移ってしまった物には皆時計がついていない。
 要するに、日本のメーカーと中国や台湾のメーカーの技術者達の考え方としては細かいことには目をつむる。時計なんて無くたって今時困ることはないはずだ。細かい編集なんて必要ない。と言うことなのだろうが、細かいところを重要視するのが日本人なのだ。
 5年ほど前にソニーのビデオを買ったのだが、これは驚くほど画質が良く、LPで録画をしても東芝のビデオのSPで録画をしたよりも鮮明で綺麗に再生される。さらに、古い東芝のものとは比較にならないほどに反応が良いために、ただ録画をして、それを見ているだけなら申し分のないビデオなのだが、編集となるとうんざりするほどに面倒で大変なために、今はもっぱら見た後に消すことを前提にした番組だけを録画しているという状態なのだが、新しい方の東芝のビデオはソニーのビデオと使いにくさという点では遙かに上回っている。
 こんな酷いビデオだと言うことがわかっていたら、ソニーのビデオをDVDにダビングして残しておきたい番組を録画するために使用していた方が余程良かった。

 上の文章で思い違いがあったので、訂正をしたい。
 ビデオ機器の生産販売については、10年前も東芝とはなっていたが実際に作っていたのは東芝では無く、日本の船井電機という会社だった。
 東芝が家電の製造販売権を中国メーカーに売った時に、東芝のビデオの製造販売は船井電機から中国メーカーに移ったものと思われる。
 東芝でビデオなどの設計やソフトの開発をしていた人は、東芝本体が家電の製造販売権を中国のメーカーに売ると言うことになれば、東芝で設計やソフトの開発を行っていた人たちは東芝にいても仕方が無いので中国メーカーに移ってしまったのでは無いかと思っていたのだが、元々船井電機が東芝の委託を受けて製造販売を行っていたのだから、東芝がその製造販売権を中国メーカーに売り渡したと言うことであれば、船井電機の技術者が中国メーカーに行くはずも無い。
 まさに、ブランド名は東芝だが、実態は中国メーカーが製造したビデオが売られているに過ぎないわけで、当然のことながら10年前とは違うメーカーが製造販売をしているのだから、売られている製品は全く違うものになるに決まっている。
 10年前には東芝のブランドではあるが、船井電機が作っていると言うことを知っていたのに、いつの間にかすっかり忘れてしまっていたことが今回の失敗につながったと言うことなのだった。
 ネット上では、様々な専門家と称する人が先端技術に対する記事を書いているが、その多くは日本企業は駄目だという話しばかりで、今や中国だけではなく、韓国にすら負けているという話しばかりだ。
 こういう日本企業はだめだという話しばかりを見ていると、家電は最先端の技術ではないので、当然日本企業より中国企業の方が優れているに違いないと思っていたのだが、大間違いだったということのようだ。

 さらに、最近東芝のブランドの携帯用のCDプレーヤーを買った。
 これは15年ほど前にパナの携帯用のCDプレーヤーを確か4000円台で買ったと記憶しているのだが、毎日使わない日は無いのに、未だに何の問題も無く動き続けている。
 MP3のフラッシュメモリを使ったオーディオプレーヤーもあるのだが、やはりCDを直接聞いた方が音が良いと思い込んでいるので、もっぱら音楽はCDプレーヤーを使って聴いている。ただ、あまりにも古いので、いつ壊れるかわからないと言う不安を抱えていたのだが、もし壊れたら新たに買うことになると思いつつも、昔と違って今売られている携帯用のCDプレーヤーは製造している会社は激減してしまい、有名メーカーは皆生産を止めてしまった。得体の知れないメーカーの物はたくさん売られていて安いが、良い音で音楽を聴くために買うのだから日本の名の知られたメーカーで無いとダメだと思っていた。
 そうした時に東芝の携帯用のCDプレーヤーが特価ということで6000円で売られているのを発見し、思わず衝動買いをしてしまったのだ。
 買って、帰りの道を歩きながら思ったのは、東芝だと言うことで衝動買いをしたのだけれど、考えてみたらこの東芝は日本メーカーでは無く、中国メーカーなんだよな。
 嫌な予感をしながら家に帰って中を開けてみると、たぶん、数十年前に最初に発売された携帯用のCDプレーヤーはこんなだったのではないのかと思わせる代物だった。
 15年前のパナの物とは比べるまでも無いずんぐりむっくりで、上から見ると大きさに大差は無いのだが、横から見ると厚さは2倍以上もある。重さも5割増しくらい。
 外見の悪さだけならまだしもなのだが、電源を入れるとすぐに音が出ない。15年ほど前に買ったパナの物は数秒で音が出るのに、最新の東芝の物は音が出るまでに1分以上かかる。しかも、音が出る直前に酷い大音量でのノイズが出るのだ。よくこんな酷いノイズが出るものを商品として出したな、というのが偽らざる印象だった。日本のメーカーでは、こんな酷いものを商品として出すなどと言うことは考えられないだろう。
 15年前の物では手元の小さい操作装置には液晶がついているので、再生時には現在の音楽はCDの何番目の物で、時間は何分何秒と表示されるし、現在の電池容量や音量などを見ることが出来るのだが、そして勿論電源のオンオフも問題なく出来る。
 所が、最新の東芝のCDプレーヤーでは液晶は無い。液晶が無いのでCDの何番目の音楽なのかも時間も何も表示されないし、電源のオンオフもできない。ただ、スキップが出来るのと音量調節ができる。液晶が無くただボタンが並んでいるだけなので、電池容量も音量も数字で見ることは出来ない。しかも、肝心の音も良くないし、音量も限界まで上げてなんとか聴けるという状態で、15年前の日本メーカーの物とは比較にならないレベルの低さだ。
 電池もパナの物は単四で、東芝の物は単三なのに、古いパナの方がはるかに電池が長持ちする。
 もう、こうした物は中国メーカーが作ったものだとしても昔の日本メーカーの物と大差が無いレベルに達しているのでは無いか。だって、15年も経っているんだから、と思いつつ帰ってきたのだが、淡い期待は見事に裏切られてしまった。
 専門家や識者と称する人たちが言う日本企業を遙かに凌駕している中国企業のすばらしい技術力という物の現実が、これなのだ。 東芝のブランドを買った中国企業というのは、中国では巨大企業で日本の家電メーカーなど足下にも及ばぬほどの売り上げを誇っていると言われているのに、その専門家たちが激賞するメーカーの技術力が、これなのだ。
 マスコミや専門家と称する人々の言っていることのいい加減さを思い知らされたといった感じだが、家電はそれ程最先端の技術を必要としないから、中国メーカーの物でも良いのでは無いかと思っていた。でも、この考えは間違いなのだと言うことを、今回は思い知らされたのだった。
 同じmade in Chinaであったとしても、日本のメーカーが中国で作っているのと、中国メーカーが中国で作っている物では全く別物なのだ。









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