トランプと新型コロナ




2020.09.27.


 大統領選挙が近づいているからなのだろうが、新型コロナウイルス問題でトランプは「中国の隠蔽により被害が拡大した」と執拗に中国批判を続けている。
 確かに、最初に新型コロナの感染者が出始めた頃には、日本にもたくさんの中国人が来ていた。
 テレビで、中国人観光客が中国にいるより日本にいた方が安全だと思ったので来日した、などと言うことを街頭インタビューで述べていたこともあって、中国人たちが外国に出かけることに対して中国政府は初期の段階では全く規制をかけていなかった。
 これは明らかに日本政府の失態だが、なぜなら同じ時期に台湾などは中国からの出入国を強力に規制していたからだ。
 個人的には、2月の半ばにベトナムのダナンに行っていたのだが、帰りの空港のロビーには何百人という集団の中国人がいた。
 午後3時から5時まで空港のロビーにいたのだが、100人くらいの集団が飛行機に乗るためにロビーから消えると、また別の集団がやってくるといったぐあいでいつになっても空港のロビーは大勢の中国人でいっぱいだった。
 当然のことながら、私の座っている椅子の周辺にもたくさんの中国人がいて、大声で話したり荷物のチェックなどをしていた。彼らの多くが荷物の入ったバッグを空けて中の様子を調べたり、荷物の重さを簡易な重量計を使って計ったりしていた。
 個人的に嫌だったのは、荷物の中身をチェックした後にバタンと音を立ててバッグをしめるのだが、この時にバッグの中にあった不快な臭いのする空気がこちらに向かって吹きかかってくる。この時には中国で新型のウィルスが流行していることは知っていたので、このくさい臭いと一緒にウィルスが混じってこないかと不安になったものだが、幸いにも周囲でたくさんの中国人がわあわあとやっていた中にいたにもかかわらず新型コロナに感染することはなかった。
 ダナンという地方都市の空港でこういう状態と言うことは、ハノイやホーチミン市はもっとたくさんの中国人が来ていたことだろう。もちろん、ベトナムだけでは無くタイやマレーシアと言った東南アジア諸国にもたくさんの中国人が行っていたに違いないのだが、ベトナムでは新型コロナの感染者は殆ど出ていない。
 要するに、トランプが言っているような時期には、中国人の間でもさほど新型コロナの感染者が増えていなかったことが考えられる。
 恐らく、3月以降に欧米から仕事で中国に渡っていた欧米人たちが帰国し、感染を広めたと思われるのだが、日本でも感染爆発が起こっているイタリアやスペインに出かけていた日本人がウィルスを持ち帰ってきたと言われている。
 それなのに日本政府はたいした防御策を行わなかった。
 そして、こうしたことはあの頃のトランプも充分認識していて、あまり新型コロナに関しては中国に対する批判をすると言ったようなことはなかったのだ。
 むしろ、当初のトランプは中国の新型コロナに対する対応を称賛していた。
 中国では、原因不明とされた肺炎が新型コロナウイルスによることを公式に中国政府が認めたのは1月7日で、人から人に伝染することが確認されたのは1月20日だった。
 米国では1月21日にワシントン州で最初の感染者が出たが、トランプ大統領は1月24日のツイッターで、「中国は新型コロナウイルスを抑えるために多大な努力をしている。米国は中国の努力と透明性に深く感謝している。すべてうまく行くだろう。米国民を代表し、特に習国家主席に感謝したい」と述べていたのだ。
 それが、今では習近平のせいで新型コロナの感染者が世界に拡大した、だの中国が新型コロナを故意に世界に拡散させたのでは無いかと言いたげなコメントを連日発表し続けている。
 トランプという男が頭が良くないばかりか、いい加減で言うことがころころ変わると言うことは当初からわかってはいたが、これほどまでひどいとは思わなかった。
 それにしても、大統領ともあろう人が消毒液を注射したらコロナウィルスなど簡単に消えると言う子供じみた言動をすると言うのも信じがたいことだが、本気でこのようなことを言ったのだとしたら小学校の低学年程度の頭しかないことになるわけで、これほどまでに無知で愚かな男が、アメリカという世界に冠たる軍事も経済もトップの国の最高責任者なのだと言うことにも驚きを禁じ得ない。
 それにしても、一応トランプという男は大学を出ていると言うことなのだが、いったい学歴というのは何なのかと言いたくなるほどだ。
 もし、トランプが大金持ちの家に生まれていなかったら、あの程度の頭では大学にも行けなかっただろうし、今頃ホームレスかそれに近い状態でいたはずだ。
 生まれ落ちた家が大金持ちだったと言うだけで、大統領にもなれてしまうと言うことなのだが、この世の理不尽さを体現しているのがトランプという男なのだ。
 こうした愚かな男が大統領選挙で再選されるかも知れないとは、驚きを通り越してあきれるしか無い。
 まあ、庶民というのはどこの国でも圧倒的多数が愚か者と相場が決まっているが、アメリカもその例外では無いと言うことのようだ。







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