日本人の若者の劣化




2020.08.20


 文部科学省では、小説などを教科書に載せるのは止めて、もっぱら実用文中心の教科書を作成するようにするのだそうな。
 実用文のなかには文学者が書いた日記、書簡、評論は入れてはいけないことになっている。
 橘玲氏の言によると、
「小説を読むと地頭がよくなると、進学校はみなわかっている。私立の進学校は大量の読書をさせて、議論をさせる。ところが文部科学省が考えているのは中から下、二人に一人が大学に進学する時代になり、簡単なレポートも書けない大学生がいるので、ちゃんと実用的な論理国語を学ばせる方針だ」

 と言うことのようなのだが、まあ、2チャンネルに限らず、どこのインターネット上のページに行っても小説なんて読んだことが無いだろうな、と思わせるような幼稚な文章とも言えないようなものしか書けない無知蒙昧であることを露呈している者が殆どだ。
 こうした連中に簡単なレポートを書かせても、見る者をあきれさせるほどの幼稚な文言しか書けないだろう。
 インターネット上では、僅か1000文字にも満たない短い文章を書いても長いと言ってくるわけで、これは小説は勿論、週刊誌でさえも読めないと言っているのと同じだ。
 文部科学省では、こうした極端に頭の悪い連中が、せめて、駐車場の契約書、レポート、統計グラフ、取扱説明書が読めるようになることが重要だと考えているようなのだが、文部科学省が考えている国語力というのは馬鹿に合わせるというもので、ただでさえも日本人の若者の頭の劣化具合が深刻な状況だというのに、より事態が深刻になるようなことをやろうとしている。
 しかし、普通に考えて、snsなどでたどたどしい小学校の低学年でももう少しまともな文章を書けるのでは無いか、と言いたくなるような幼稚な文章とも言えないようなものしか書けないような者が、契約書や統計グラフなどの難解な文章を読んで理解できるとは到底思えない。それほどの読解力があるのなら、どのような文章でも読み書きができるに決まっているからだ。

 今の中高生の3分の1は、簡単な文章が読めない――。書籍『AI vs.教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)でこんな見解を示したのは国立情報学研究所教授で、同社会共有知研究センター長の新井紀子氏だ。
 中高生の読解力について「危機的と言っていい」と警鐘を鳴らす新井氏。その根拠となるのが、全国2万5000人規模を対象に実施した基礎的読解力調査だ。
 この読解力調査というのは、驚くほどに簡単な問題で、普通に本を読んでいる者であれば解けないはずが無い程度のものなのだが、3分の1の生徒が間違うと言うのだ。これは文章を読んでも3分の1は、読むことは出来ても何が書かれているかを理解できていないと言っているのと同じだ。
 この中で正しい答えを出した者でも解答用紙に答えがいくつかあって、そのどれかにチェックを入れるだけなので、わからないけれどわからないままにチェックを入れたら偶然正解だったという者もいるはず。
 こうした者の殆どは、スマホを普通にいじっているようには見えても、スマホに書かれている文章を理解できないので、理解できる範囲の誰しもが普通に目にする1行か2行の極めて簡単な文字列を書き送り、受け取った者は同じような幼稚な文言を返すと言う以上のことはできないのだ。少し込み入った文章は、長すぎると言って込み入った文章を書くものを批判するのだが、これではネット上にあふれる様々な情報とは無縁にならざるを得ない。

 一番の大きな問題は、こうした人間が将来会社に勤めた場合、サラリーマンの場合には文章を書いたり読んだりしない会社なんてあるはずが無いので、読解力が無いし、文章も書けないとなったら、同僚からあざけりの目で見られることになり、当然、会社には居づらくなってしまう。特に、近年はリモートワークと呼ばれる勤務形態が広がっているが、これはまともな文章が書けないのでは仕事の報告も外部への伝達も何もできないので、全くお話にならないことになる。
 サラリーマンで無かったとしても就業に対する簡単なレポートは書かざるを得ないわけで、そうしたことすらもができないということになると、仕事自体がきわめて限定されると言うことになる。結果的に引きこもりになるしか選択肢は無いということにもなりかねないわけで、これから人口がどんどん減っていくというのに、体自体には何の支障も無いのに仕事には就けないという若者が激増することを示唆しているし、現実にsns上ではまともな文章が書けない者が普通に見られると言うことからも大きな問題を含んだ事態が進行していると言えるのだ。
 それこそ中国などの国外から日本語の読み書きのできる人材を大量に集めてこないと、日本では人材不足で企業活動ができないと言うことにもなりかねない重大問題なのだ。











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